2021-10-18

油絵初心者の為の描き方・その1 下書きと配色 !

こんばんは、1つ1つ丁寧に取り組みたいと思う油絵×心像画家の中西宇仁です^^


今回は、油絵の具をこれから始めよう! 初めて絵を描く方に向けた、


” 下書き / 配色(大まかな色の配置) ”



について、お話していこうと思います!


作成工程の概要・必要な道具・下書き~配色とオイルを使う際の注意事項等をお伝えします。

【 作成工程の確認 】

取り掛かる前に作成工程の振り返りをしてみましょう♪

油絵の具の場合、オイルという油絵独特な画材があり種類と性質も異なります。
適切なタイミングと使用を誤ると作品劣化にも繋がるので確認していきましょう。

●工程

①モチーフの確認
②画材準備
③下書き
④配色
⑤本塗り
⑥仕上げ


大まかな工程は、このようになります。


①モチーフの確認

絵の具を塗る前に何を描きたいのかを決めないことには始まりませんね!

油絵を始めて使う方や絵を描く初心者などは、身近な物から始められると良いかと思います。

モチーフの決め方については、絵画ジャンルでまとめているのでご覧ください^^
→ モチーフの選び方

僕の場合は、適当な用紙に描いて構図を確認しています。

②画材準備

モチーフが決まったら描くために必要な画材を準備します。

以降にご紹介しています!

③下書き

支持体(キャンバス等、絵の具を乗せるもの)に下書きします。

④配色

下書きが終わったら、大まかな色を配置します。

( 使用するオイルによっては、注意が必要なこともあるので以降で説明します )

⑤本塗り

配色し、しっかり乾燥したらいよいよ本格的に色を塗っていきます。

( この記事では、配色までをご紹介するので別途お伝えしていきますね^^ )

⑥仕上げ

作品作成にひと段落つき、ほぼ完成となったら最後にコーティングを行います。

【 下塗りする前の確認! 】

支持体に描く前に必要な道具を再チェックしていきましょう!!

●画材の確認

①筆 or ペイントナイフ

細い・中太・太い・平目など様々なタイプの筆と毛の質があります。
油絵セットをお持ちであれば付属されている筆から始められると良いですよ^^

②絵の具

③パレット

④油壺
溶き油を入れる容器なら小さな小皿でもOKです^^

⑤ペインティングオイル
乾性油や揮発性油など、オイルを使い分ける方法がありますが
基本は、このペインティングオイルがあれば問題ありません。

⑥クリーナー
使用後の筆を洗うのに使う洗浄液です。

⑦汚して良いタオル
使用後、筆に着いた絵の具ををふき取る時に使います。
ふき取り後にクリーナーで洗浄します。

⑧キャンバス
(木版やアクリル板等、絵の具が乗る支持体)

⑨イーゼル
描く際、支持体を掛けるの使う道具ですが必須ではないのでお好みで^^

筆やオイルなど画材については、画材ジャンルにまとめておりますのでご興味あればご覧ください^^
→ 画材関連の記事

【 支持体への下書き 】

キャンバス(支持体)にこれから描く事になりますが
絵の具を塗る前に構図を下書きします。


必ず下書きを描かなきゃいけないという事ではありませんが
一般的な工程なのと下書きを描いた方が描きやすいというのもあるので
ご紹介しますね^^


支持体への下書きにも様々な描き方があります。

●絵の具を使った下書き

絵の具を溶き油で薄くのばします。
下書き用に描くので油量は多めが良いです。

目安としては、塗った後にキャンバスの生地が見えるくらいが良いですね。


間違えた場合は、タオルなどで消しとってやり直すこともできます。
その為にも、絵の具は薄めておくとキャンバスの表面を綺麗に保てます。


絵の具で下書きした場合は、ついでに配色しておくと楽になります^^

( 配色については、以降にご説明しますね )

●鉛筆を使った下書き

一般的に使われる文房具屋さんで売られている鉛筆です。


絵の具のように画材を用意せず、鉛筆一本で下書きすることができるので一番楽ですね。

時間がない時や、ささっと下書きを済ませたい場合など良いです。

また、細かい線を描く事もできるのでしっかり形を残すことができます。


間違えた場合は、消しゴムで消せば良いのですが線が濃すぎると
絵の具を塗っても浮き出てしまうので注意が必要です。


鉛筆にも濃度があるので色が薄い鉛筆がオススメですよ^^

●木炭を使った下書き

デッサンをする時に使われますね。

キャンバスへ下書きした後に、
フィキサチーフというスプレーを最後に吹きかけることで支持体へ定着します。
いわば、木炭やパステルといった細かい粒子を定着させる接着剤の役割を持っています。

100円ショップでも売られているのでご参考までに^^


参考サイト:Amazonショップ

ちなみに僕の場合、木炭を顔料として使う事もあるのですがそれはまた別の時にでも♪

【 配色 】

下書きは、「 形 」を残しますが
そのあとは、色を塗ります!

配色では、大まかな色を配置していきます。


「がっつり塗らないの?」と、お思いになるかもしれませんが

大まかな色を乗せる事で先だって、作品のイメージをより強く感じることができます。



要は、完成された作品をイメージすることができるわけですね!


上記の下書き項目でご紹介した方法の1つに、
絵の具を使った方法をお伝えしましたが「 ついでに配色 」
、というのは下書き時に薄くした絵の具を使っているので
配色も一緒にやってしまおう!!


と言う事です^^



配色する際も絵の具を溶き油で薄くのばして塗ります。

大まかな色をつけることで本格的に絵の具を塗る本塗りで
迷わずに塗っていける
ことができます。



油絵の具に使うオイルは、基本ペインティングオイル1つで網羅できるのですが
なるべく早く絵の具を乾燥させたい場合もあるかと思います。

そのような時に使用すると良いオイルが


” 揮発性油 ”



です。



揮発性油は、他のオイルに比べて油が気化しやすいのが特徴です。
その為、油絵の具も早く乾燥します。


ここで注意したいのが、


乾燥が早いからといって全ての工程で揮発性油をメインで使っていくのは危険です。



本来油絵の具は、空気と結合して固まる性質を持っています。
乾性油やペインティングオイルと混ぜる事でツヤや強度もアップするのですが

揮発性油の場合は、絵の具に含む量が多いとひび割れや剥離が起きてしまいます。



他で例えると液体窒素に花を入れるとパリパリになる状態ですね。
程よい水分が全て蒸発し、パリパリになるのと同じです。



配色の段階では、油絵の具は薄く延ばしているのでキャンバスに乗る絵の具の質量も少ないので
ひび割れや剥離は起きません。



「 揮発性油を含んだ絵の具の上に更に塗っていくから剥がれない? 」




と、ご心配されるかもしれませんが
本格的に塗っていく段階になってからは、ペインティングオイルや乾性油と揮発性油を混合して使用するので
十分にキャンバスへの接着要素は満たせるので大丈夫です^^


絵の具自体にも油分は含んでいるので定着されます。



ただし、次の工程(本塗り)に進む前に配色された絵の具がしっかり乾燥されていることを確認してから
本格的に塗っていきましょう。


しっかり乾燥していない場合だと中途半端に揮発性油が混ざってしまうので^^;

ここまで整理すると、

下書き後からの配色で使うオイルは、ペインティングオイルか揮発性油。

ペインティングオイルは、全ての工程で網羅できるのでこの1本でOK。

揮発性油は、他のオイルより乾燥速度が早いので配色した絵の具を早期に乾かすことができる。

( 配色では、揮発性油のみでも良いが本格的に塗る際に使うのなら乾性油と合わせて使わないと劣化に繋がる )

【 まとめ 】

油絵を描き始める時に確認したいこと!

①作成工程
②画材確認



今回は、作成工程のうち配色までをご紹介しております^^

油絵の場合、絵の具と筆だけではなく、
オイルやクリーナーなど必要な道具が多いので漏れがないかをチェックしたいところですね。



下書きの手段を3つお伝えしております。

①絵の具
油絵の具をオイルで薄くのばしキャンバスに描く

基本、ペインティングオイル1本で事足りますが、
絵の具の乾燥を早めたい場合は、揮発性油を使用すると早く乾きます。

②鉛筆
僕も下書きでは、鉛筆が多いです。

先端が細いので細かい下書きが可能になります。

間違えた場合は、消しゴムで消すと良いです。
線が濃いと絵の具を塗っても浮き出てしまうので、書き終えた後は
消しゴムで薄くするか濃度が薄い鉛筆で描くと良いです。

③木炭
デッサンでよく使われる画材です。

描いた後は、フィキサチーフを吹きかけてコーティングすると良いです。

僕の場合、木炭を顔料にすることがあるのでコーティングせず上から塗り慣らすこともあるので
お好みで^^




下書きが終わった後は、” 配色 ” です。

大まかな色を配置する事で作品イメージを強くもつことができるのと、
本塗りする際に、どこに色を乗せるのか迷わずに進めることができます。


揮発性油で絵の具の乾燥を早めたい場合は、しっかり絵の具を乾かしてから
次の工程(本塗り)に進みましょう。



配色までは、前菜のようなものです。

軽食を済ませてからメインディッシュに入っていくわけですが胃の調子を整えてから食事を進めると
楽しく気持ちよくなります^^



油絵も同じです。

調子を整えていくことで安定して良い作品を生み出すことができます。


他の絵の具と異なり、油絵の具は時間と手間が掛かる分野です。



その経過も是非楽しんでください♪

達成感や、やり切った感を感じることもできるのでリフレッシュにもなりますよ^^




では、今回はこのあたりで
ご朗読頂きありがとうございます!!

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