2021-10-16

西洋絵画の見方をわかりやすく物語仕立てで解説!!

こんばんは、知らないよりかは知りたい油絵×心像画家の中西宇仁です^^

今回は、絵画の中でも歴史がある西洋絵画の ” 観方 ” についてお話していこうと思います!!



西洋絵画には、宗教画・人物画・風俗画など、当時の時代背景や風習が表現されているものが
多いですが抽象画や現代アートとは、また別の観方が必要となります。



後半では、西洋絵画を例に物語としてご紹介しております。



この観方を知る・知らないのとでは、西洋絵画の面白さはがらっっと変わるので美術に興味がある方は是非
ご朗読ください^^

【 絵画観賞の概要 】

僕のブログでは、絵画は ” 感じたままに観る ”
と、お伝えしています。


この感じたままに観る、というのは正解でもあり不正解でもあります。



なぜなら、数学や歴史のように決まった答えがないからです。



抽象画、人物画、風景画などは観て、
「 綺麗だな~、活力を感じる、旅行に行った気分になる 」

など、” 感動 ” を体感することが多いと思います。



それは、人が持つ直観性に委ねられるのですが全ての絵画が直観性で鑑賞するのか?

と言うと、そうでもないんですよね。



直感といった感覚があるのならその反対に論理があります。

組み立てて物事を認識するのも人間です。



以降は、大きく2つの観賞方法をお話していきますね^^

●観賞方法

絵画鑑賞と一言で言っても、その作品のジャンルによって感じ方や観方は変わります。
その観賞方法を整理すると、作品と対面した時により一層楽しめます^^

▼感じて観る方法

作品を観た時に、元気がでる、優しい気持ちになる、安心する
など、気持ちを揺さぶられる時があるかと思います。


それは、抽象的表現なのか、それとも豊かな自然をモチーフとした風景なのか。


パッと見た時に、” よくわからないけど良いなぁ ” と思える作品は
直感的に感じ取って観ると楽しめます^^


このような作品は、前もって必要な知識は必要としません。
(神話をモチーフにした作品の場合、その神話の内容を事前に知っておかないと観てもわかりにくいです)

抽象画、人物画、風景画などが見やすいかと思います。

▼見解方法

感じて観る方法とは異なり、


” 事前に必要な知識を持ってから観賞する ”


という観方です。



感じて観る方法の場合、直感的に自分の感情に従い観ると面白いのですが
全ての作品が同じようなものではありません。


この記事の趣旨である、西洋絵画の楽しみ方に通じていくのですが


” 作品を観る為に、必要な知識を得て観る方法 ” です。



必要な知識とは、作品の中で登場する人物設定、時代背景、
世界設定
などの事です。



例えば、日本の場合ですと神社があります。

お参りに行く際、その神社にはどのような神様が祀られているのかを調べてから
参拝される方もいらっしゃるかと思います。


映画の場合、どのような物語なのか予告編として話の概要を知ることができます。
音楽なら試聴ですね。


舞台ならパンフレットに物語のあらすじを載せています。



それと同じように絵画も、どのような内容なのかを事前に知ってから観るという
考えです。



内容といっても1枚1枚調べるのは大変なので宗教画なら信仰について
神話なら、北欧神話について
風俗画なら当時の人たちの暮らしぶり



などですね。



以降は、例題を上げて鑑賞してみましょう^^

【 西洋絵画の見方例: 最後の晩餐 】

西洋絵画でお馴染みの作品



レオナルド・ダ・ヴィンチ作
「 最後の晩餐 」

誰しもが1度は観たことがある作品だと思いますがこの絵を観た時に


 ワクワクする
 悲しくなる
 元気になる
 落ち着く

といった、感動が湧き上がりますでしょうか?



少なくとも僕は、パッとみ感動はしないです^^;
( 感動しちゃいけない、ということではないですよ!? )



では、この作品をどう楽しめば良いのか?
という事ですが


その為に必要なのが ” 必要な知識を得て観る ” という事です。


西洋絵画の定番中の定番

最後の晩餐を例にして、観る為の知識を探ってみましょう!



・・・




最後の晩餐の中央に座っているのがイエス・キリストです。

このキリストさんには12の弟子がいます。

作品左から

①バルトロ
②小ヤコブ
③アンデレ
④”ユダ”
⑤ペテロ
⑥ヨハネ

⑦トマス
⑧大ヤコブ
⑨ピリポ
⑩マタイ
⑪タダイ
⑫シモン



キリストさんが十字架にかけられる前に12人と弟子と共にした夕食場面なのですが

「 この中に裏切り者がいる 」


と言った瞬間がこの絵とされています。


先にお伝えすると、裏切り者とされている人物は
” ユダ ”

とされています。




キリスト:「この中に裏切り者がおる!」
一同:「え、そうなの!? (困惑)」



さぁ、このやり取りを見てから再び、最後の晩餐を見てどう感じますでしょうか^^

ここから各登場人物に焦点を当て見てみましょう。

中央に座っているのがイエス・キリスト

~~
~~~

①バルトロマイさん
左テーブルの端にいる人ですね。
キリストさんから一番離れたところに居ます。

キリストさんが何を言っているのか聞き取ろうと立ちあがり身を乗り出している様子がうかがえます。

②小ヤコブ
キリストさんと並ぶと、そっくりな人ですね。
左手をペトロさんの方へ伸ばしていますが、「ねぇねぇ、キリスト何言ってんの?」
と、確認しようとしている様子があります。

③アンデレ
「 裏切り者がいる!! 」 と聞いて驚いたのでしょう。
思わず両手が上がっていますね。

④ユダ(イスカリオテのユダ)
ユダの手元を見ると何やら袋が握らています。

この袋の中身は、キリストさんを裏切った事で受け取った銀貨が入っています。

ただ、新約聖書の1つである福音書(キリスト教聖典の核心とされている)によると
お金は、キリストさんを引き渡した後に受け取る事となっていたようです。

(聖書には、「 手で鉢に食べ物を浸した物がわたしを裏切る 」の記載がある)

ただ、レオナルドはこの聖書に書かれている表現が難しい為にユダにお金の入った袋を握らせたのでは?
と言われています。

⑤ペトロさん
身を乗り出し、隣にいるヨハネさんに何か聞いていますね。

⑥ヨハネさん
キリストさんの一番弟子とされている人です。
ペトロさんがこのヨハネさんに質問する意味が垣間見れます。

⑦トマスさん
この作品の中でキリストさんに対し、意志表面をしている人物です。
右手の指を1本立てているのですが、

「 裏切り者は1人だけですか? 」

と、キリストさんに質問している姿とされています。

⑧大ヤコブ
裏切り者がいる、という発言を聞いて
「 そんな馬鹿な!! 」

と言わんばかりに大げさな身振りをしています。

このヤコブさんは、一番弟子のヨハネさんと兄弟です。

⑨ピリポ
両手を胸にあて、まるで訴えかけるような仕草が見られます。

⑩マタイ / タダイ(イスカリオテのユダとは別人) / シモン

12人の中で1つのグループができていますね。
3名は、お互い見合わせて

「 今、なんとおっしゃったのかな? 」

と、問いかけている様子があります。

一番離れている席ゆえ、キリストさんが何を言っているのか聞き取れなかったのかもしれません。

~~~
~~



さて、キリストをはじめとした12人の弟子との最後の晩餐。


イエス・キリストが最期に迎える夜だけでも弟子達からしたら悲しく辛い夕食の時でしょう。

ただでさえ、重い時間の中でキリストが発言した


「 この中に、裏切り者がいる 」



を、聞いた弟子たちの心境はいかがなものでしょうか・・・



弟子たちは、最期の夜にキリストをしっかり見送りたいと思っていたかもしれない。

キリストも最期の時を愛している弟子たちと悔いなく過ごしたかったのかもしれない。



そんな中、裏切り者がいたという事実をキリストはどう受け止めていたのでしょう・・・
聞いた弟子たちは、お互いをどう意識していたのでしょう・・・




それらを知ったうえで再度、最期の晩餐はあなたの目にどう映りますか?

弟子たちの動き、キリストの表情を見て何を感じますか?




・・・




僕の場合、必要な知識を得事でこのような観方になります。
( 感想が重いですが^^; )


この絵画に含まれる情報を事前に知らないのと知っているのとでは
印象はがらっと異なるかと思います。


西洋絵画は、事前に必要な情報を得てから観ると楽しさが倍増しますよ^^

さて、次の作品も探ってみましょう!!!

【 西洋絵画の見方例: 民衆を導く自由の女神 】


ウジェーヌ・ドラクロワ作
民衆を導く自由の女神

ドラクロワの代表作ともいえる作品ですね。


混沌とした戦場の中、一振りの旗を掲げる女性。
混沌から希望への一歩を歩みだすようなそんな印象です。


この絵画には、戦場なのになんで上半身肌の女性が!?

と、現実と不釣り合いな描写がありますね。



この作品には、どのような情報が含まれているのか探ってみましょう^^

この作品は、1830年に起きたフランス7月革命を主題にしています。

●フランス7月革命ってなに?

フランスでは、栄光の3日間と言われており
1830年7月27日~29日の3日間に起きた市民革命です。


当時のフランスでは、王政復古によりルイ18世が王位に就いていました。

このルイ18世というのが貴族や聖職者を優遇する政策をとっていた為、
当然市民からしたら不満は高まるわけですよ。

ルイの後継者である弟のシャルル10世も変わらず昔の体制・優遇を行う王様で
「 市民が怒ってきてるなぁ、何かごまかさないと・・・ 」

と言う事で1830年7月にアルジェリア侵略を始めました。


問題をごまかすというのは、何処の国でも一緒ですね^^;



それでも国内の不満は収まらず各地で学生や労働者を中心に、
” 三色旗 ” を翻して街頭にバリケードを築き始めました。

あちこちで市街戦が始まり、軍隊は押されていき
結果、国民が勝利しました。

ここまでが大まかな当時の時代背景ですね。


●絵画の解説

三色旗には、「 自由・平等・友愛 」の意味があります。
( ウィキペディアにも記載されていますね。 )


この絵を観て、まず注目を浴びるのは中央の女性ではないでしょうか。


左手に銃剣つきのマスケット銃を持ち
右手には、フランス国旗の三色旗を手に持ち掲げております。

その姿は民衆を導く勇敢な女性の印象を持たせます。


実はこの女性は、” マリアンヌ ” と呼ばれる
フランスを象徴する女性像、またはフランスを擬人化されたイメージとされているようです。

( フランス版の自由の女神ですね^^ )


パリの共和国広場にマリアンヌ象が設置されているそうです。

作品に描かれるマリアンヌは、銃と旗を持ち上半身は乳房が見えています。

この意味としては、

女性は、自由を
乳房は祖国(母性から)



を表されているとされています。

ドラクロワはこのマリアンヌに自由の為の行動と祖国への想いを込めているのかもしれませんね。


他にもマリアンヌの左隣にいるシルクハットを被った男性がいますが
この男性は、ドラクロワ(作者)自身だとされています。

さて、これらの素材を基に再度作品を観てみましょう。



王族が貴族や聖職者ばかり良い思いをさせて、庶民には過酷な環境を与える。

抑えつけられる市民は、自分達を守るために命を落とすかもしれない革命を起こす。



自分達を、国を取り戻すための戦いになります。

激動の時を導くのは、国の女神。



市民を先導し、自由へと導く姿は混沌とした中に一筋の光を射し込む。

手段は違えど、ドラクロワも自身を作品の登場人物に取り入れることで
画家として戦っていたのかもしれませんね。




・・・




ここまで西洋絵画の基本的な観方をお話しました!!



いかがでしたか?


絵画に問わず、知らない事を知らないまま触れるか
知らないことを知ってから触れるかで印象や考えはがらっと変わります。

ありとあらゆるものが溢れかえる世の中です。

そんな世の中にいると、どうしても受け身になり疑問や意識せず受け入れてしまうのも確か。

何も意識しないということは何もないのと同じとも言えます。



子供の頃は、その辺の枝や小石を使って遊び方を考えていたかと思います。

大人になっても、大人の嗜みとして、


” 知ってから触れる ”



というのも考えてみても良いのかな、と思います^^

絵画の歴史について、書いている記事もあるので良ければそちらもご覧ください、
→ 西洋絵画の美術史とは!?




では、今回はこのあたりで。

ご朗読頂きありがとうございます!!

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