油絵で使うオイルを分かりやすく解説♪乾性油の特徴と使い方について
こんばんは、揚げ物では米油を使う油絵×心像画家の中西宇仁です^^
今回は、油絵の具で使用するオイルの1つ
「 乾性油 」に特化してお話していこうと思います。
油絵で使うオイルの全体像については、↓でご紹介しておりますので合わせてご覧ください^^
→ 油絵で使うオイルを分かりやすく解説!乾性性油?揮発性油?特徴と使い道は!?
目次
【 油絵のオイルとはそもそも何? 】
オイルの話に入る前にそもそも油絵具とは何なのか?、から振り返ってみたいと思います。
よくたとえ話で水彩絵の具の場合は、水・・・と同じように、
油絵具の場合は油、と言われることがありますが深く追求していくと半分正解で半分はずれです。
薄める、という点で言えば水彩絵の具は水で薄まりますが
油絵具の場合は、薄めるということではなく支持体(キャンバス)へ、
” どう定着させるか ” が重要です。
つまりキャンバスに絵具を定着させるための接着剤は何とするか?
ということですね。
水彩絵の具の場合は、乾燥する事で絵具から水分が抜け支持体に定着します。
では、油絵具の場合はどうでしょうか?
油なので水彩絵の具のように蒸発して定着するということはありません。
水に油を垂らすと綺麗に分離するように油は水性とは異なる性質を持っています。
日本画の場合は膠(にかわ)、油絵ならオイルになります。
油絵で使うオイルの全体像については、↓でご紹介しておりますので合わせてご覧ください^^
→ 油絵で使うオイルを分かりやすく解説!乾性性油?揮発性油?特徴と使い道は!?
【 乾性油ってなに? 】
油絵の具をキャンバス上に定着させる接着剤の役割を果たすオイルです。
酸素と反応することで皮膜を形成し固まります。
固まる事で絵の具の基である顔料を閉じ込めて定着します。
その為、ゆっくりと乾いていきます。
乾性油は植物の種子や実などの原料から作られています。
料理で使うサラダ油や機会にさすオイルなどはベタベタしますが
乾性油の場合は、乾くと触ってもベタベタしません。
絵の具と組み合わさることで光沢ができ強度があがります。
その為、丈夫な作品となります。
簡単に言えば、お部屋で放置しておけば勝手に固まるということです!!
【 乾性油の種類 】
乾性油は植物の種子や実を原料として作られます。
それぞれのオイルについて見てみましょう^^
●リンシードオイル
アマの種子を原料として作られるオイルです。
成分中の不飽和脂肪酸が酸素と結びつくことで固まる性質を持っています。
ポピーオイルと比べると乾燥が早く丈夫な膜を形成します。
このオイルを使うと黄色に変色しやすい(黄変と呼びます)性質を持っているのですが
乾燥した後は、絵の具の耐久度がアップするので剥離やひび割れを防ぐことができます。
特に暗い場所で保管していると黄変しやすくなります。
(黄変した場合は日光にかざすと、元の状態に戻る性質を持っています)
また、黄変を抑えるオイルもあり、
リンシードを加熱重合させたスタンドリンシードオイルや日光に長くかざしたサンブリーチドなどがありますよ^^
( 参考:世界堂オンラインショップ )
●ポピーオイル
ケシの種子を原料として作られるオイルです。
成分中の不飽和脂肪酸が酸素と結びつくことで固まる性質を持っています。
黄変しにくいのですがリンシードオイルに比べると乾燥は少し遅いです。
(だいたい2倍ほどの時間を要します)
その分、白や淡色の絵の具に混ぜるのに適しています。
耐久性は、リンシードオイルより劣ります。
( 参考:世界堂オンラインショップ )
●サフラワーオイル
ベニバナの種子を原料として作られるオイルです。
ポピーオイルと似た性質を持っており乾燥速度はも同じくらいです。
強度は、リンシードオイルとまではいきませんが黄変しにくく白や淡色への混色も安全です。
( 参考:世界堂オンラインショップ )
【 乾性油の使い方 】
乾性油は、それ単体で使うよりかは他の油とミックスして使うと良いですよ。
油壺など、オイル専用の容器にリンシードオイルと揮発性油を入れることで適度な粘着性や濃度を調整することができます。
( 乾性油は、ツヤや透明度、強度。 揮発性油は乾燥促進 )
乾燥速度をアップしつつ、絵の具の質を保ちたい場合にこの組み合わせが良いです。
分量として、描き始めは揮発性油の量を多く乾性油を少なめにします。
仕上げに進むにつれ、乾性油の量を増やしていきます。
かみ砕くと、
①描き始め
乾性油: 1割 / 揮発性油: 9割
②中盤
乾性油: 2-3割 / 揮発性油 8割
③終盤
乾性油: 5-6割 / 揮発性油 5割
この割合は、好みにもよりますが迷った時は乾性油を気持ち多めにしておくと良いです。
これは、オイルの種類関係ないのですが換気を良くして室内の風通しも良くすると気持ち悪くならなくなります。
【 まとめ 】
今回は、油絵オイルのひとつである「 乾性油 」についてお話しました。
乾性油は、空気と触れることで固まりますj。
支持体(絵の具を乗せる媒体)と絵の具をくっつける接着剤の役割を持つ。
性質としては、ツヤだし、強度アップなど作品をより良く魅せ品質を向上させます。
乾性油の中にもリンシードオイル、ポピーオイル、サフラワーオイルのようにいくつかのオイルに分かれる。
それぞれ、艶出しや強度アップに優れているもの、黄変するものなど性質が分かれている。
乾性油を使う時は、これ単体ではなく揮発性油やペインティングオイルと混ぜて使うことをオススメします。
作りはじめは、揮発性油を多めにして作品が完成に近づくにつれ乾性油の割合を増やします。
油絵の具は、絵の具の重厚さが特徴ですが他の画材にはない面白味があります!
それが、オイルです。
描き続けていくと自分の世界観をより鮮明に表現したくなってきます。
その時に画材の性質を意識していくと一皮むけるのと純粋に油絵ってなに?、と今まで意識しなかったことに対して
知る事になるので、知識が広がります^^
あまり難しく考えず、” 物は試し ” な姿勢で取り組まれると疲れないですよ♪
あと、換気に気を付けてくださいね。
二日酔いの状態でオイルの匂いを感じるとかなりきついので・・・
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では、今回はこの辺で!!
ご朗読頂きありがとうございます^^
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