西洋絵画の成り立ち 表現の変化・宗教から風俗へ
こんばんは、変化は生きる糧。
油絵×心像画家の中西宇仁です^^
絵画は、最初から絵画という形を持っていたわけではありません。
表現というものは、その時代に住む人たちの意識が反映され具現化されてきました。
今回は、宗教画から風俗画へ社会のニーズの変化がどう影響したのか?
その第3弾をお話していこうと思います^^
絵画が生まれる前、
アートの起源についてお話しております!
はじめての方は、こちらからどうぞ^^
→ 西洋絵画の成り立ち 表現の変化・起源から~その1
第2弾目
→ 西洋絵画の成り立ち 表現の変化・信仰スタイルに合わせた表現
関連記事では、アートの起源は洞窟画から始まり
文明の発達により表現形式が変わってきました。
人類がデザインを初めて意識したのだと思うのですが
土器に模様や生活様式を描き始めました。
人間の肉体美を表すための彫刻が発展し、
神の加護を受けた皇帝やお偉いさんの権威を示すものとしても
需要がありました。
国民の不満が高まる中、国民にも加護を与えるということで、
キリスト教の布教が始まり宣伝活動として、宗教をモチーフにした
表現が壁画として表れ始めてきました。
国民と信仰をもっと近い存在にする為に、
壁画 → 写本
へと、表現の媒体が変わっていきます。
この記事では、宗教と人間の距離がより身近になり
それに合わせ表現のスタイルもまた変わっていく様子を
お話していこうと思います^^
【 西洋絵画の歴史: 人間らしさのルネサンス 】
歴史の授業でも聞いたことがあるのではないでしょうか?
「 ルネサンス 」
ルネサンスとは、古典古代の文化を復興させようとする
働きのことで自由な人間性を回復し、
世界をあるがままに表現しようとする考えのことです。
それまでは、神様や宗教が中心でしたが
このルネサンスを機に人間らしさ、
つまり、風俗要素が絵画に表れてきます。
そのルネサンスで復活した大きな要素として、
・人間らしさ
・肉体美
が特徴的ですね。
ルネサンスは、美術史の中でも歴史が長く
後の表現に大きな影響を及ぼす面白い時代なので
別途、お話していこうと思います^^
この記事では、ポイントだけしぼり宗教画から
どう表現が変わっていったのか?
に焦点を定めていきますね。
ルネサンスは、古典古代の復興とお伝えしましたが、
ただ模倣するのではなく人間の肉体美や
人生の喜び、精神と理想とする姿
そして、それまで神中心でタブーとされていた
禁欲的な姿や自然の美や現実の世界にあるもの
の価値を再認識しようとしました。
” 神の世界だけでなく
人間の世界も良いものだよ! ”
という社会の方向性ですね。
その方向性が世の表現の方向性に
反映されます。
15世紀(1400年代~)からこのルネサンスという働きが
流れ出しますが、ヴィーナスの誕生やモナリザもこの時代に
生まれました。
ヴィーナスの誕生は、神話がモチーフとされておりますが
表現として、絵は美しさともされておりました。
かわって、モナリザは神話でも宗教画でもありません。
教皇でも貴族でもない普通の人が描かれるのは
この時代からです。
モナリザはレオナルド・ダ・ヴィンチ作でお馴染みですが
同様に最期の晩餐は、イエス・キリスト本人とその弟子たち
の様子が描かれた作品があります。
最期の晩餐は、イエスが処刑される前の最期の時間を
弟子たちと過ごす内容です。
( 最期の晩餐については、観方を別途お話しているので
ご興味あればご覧ください^^
→西洋絵画の見方をわかりやすく物語仕立てで解説!! )
イエス・キリストは宗教画でも多くモチーフとしてされて
おり信仰の象徴とされておりますが、
この作品は、弟子たちと最期の夜を迎える中
弟子たちの中に裏切り者がいるとイエスが宣言し、
同様する弟子たちの様子が描かれています。
人間味のあるメッセージが込められた作品ですね。
イエス・キリストや聖母マリアなど、信仰の象徴
とされているものが人と寄り添ったり悩むなど
人間味のある表現へと変わってきます。
ルネサンスがもたらす表現の変化は、ここまでに
留まらず信仰から人々の生活など、
風俗要素を取り入れた表現へと変わっていきます。
時は流れ1500年代頃になるとヴィネツィアなどでは、
貿易が盛んとなり異国の文化が入り込んできました。
その為、人々の暮らしも豊になってきた為
教会よりも世俗の力の方が強くなりました
そうなると表現や解釈に制限がなくなり
人々の生活や官能的な表現が増えてきます。
宗教画も俗っぽくなってきます。
絵画表現に俗要素が入ることで、
自宅で飾りやすくなったわけですね^^
少し振り返ると、
信仰心を募る為に教堂などの壁に
宗教をモチーフにした壁画が描かれていました。
ただ、神様と交流するには教会へ行く必要があり
時間と手間がかかりました。
その為、教堂へ行かなくとも
神話の世界に触れる為に、写本という
媒体を使って表現がされ始めました。
ここまでは、一国内でまとまっていたので
統一されておりましたが時代が進むにつれ、
国と国との交流は活性化され、文明・文化も
おのずと変わってきます。
そうなると教会の力より世の中、
つまり世俗のほうが自然と存在性が強く
なってきます。
そうなると抑え込まれていた人々の価値観や
思考などが解放され活動領域が一気に広がります。
ここから
” 神離れ ”
が進み、人が主役となる表現が活発になります。
今回は、信仰表現から人を中心とした表現への
中間についてお話しました。
次回は、人の生活を中心とした表現が
なされた時代についてお話したいと思います^^
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