抽象画とは?意味を知る事で楽しめる見方について解説!!
こんにちは、油絵×心像画家の中西宇仁です^^
今回は、抽象絵画をどのように観れば良いのか?
観賞の仕方に焦点を絞ってお話したいと思います^^
よく、絵画を観る際に
「 観方がわからない 」
という声をよく聞きます。
どのように受け止めれば良いの?と、迷われる方が多いです。
まず、アートに明確な答えはないこと!
そして、” わからない事は罪ではない! ”
という事が前提にあります^^
肩の力を抜いて気取らずにご朗読頂けたらと思います♪
【 絵画ジャンル 】
絵画と一言で言っても、モチーフや描写方法
観方が変わります。
絵画をそれぞれのジャンル毎にまずは分けてみてみましょう^^
・宗教画
・肖像画
・静物画
・風景画
・風俗画
・印象画
・具象画
・抽象画(今回はこちら!)
など
【 抽象画とは? 】
絵画の分野で数式のように、こういうものだ!!
というはっきりした定義はありませんがそれだと基準がないので以降の話が無意味になるので
僕なりの考えで申しますと
抽象画とは、
” 形として残っている対象をそのまま描き写すのではなく隠れた本質を表す ”
ものだと僕は考えています。
( 広辞苑やウィキペディアでも似たような事で説明されていますね )
形というのは、人物・静物・人工的なものや自然物など
現実にあるハッキリとした形を示します。
何か物を見たり聴いたりした時に、はっきりしている形は見えないけど感じるということは
” 何かがある ” といえます。
抽象的とは、曖昧な存在ですね。
音楽もロック、ポップ、クラシックに民謡など色々あります。
落ち着きたい時は、クラシックを聴いたり
テンションを上げていきたい時はロックを聴いたり等、
気持に変化を加えます。
自然豊かな地で綺麗な景色を見た時に心が洗われるような感覚もあるでしょう。
何か対象となるものを ” 見て・聴く ” 事で、言葉ではなかなか言い表せない感情が湧き出るもの
その湧き出るものの形は、はっきりとは見えませんが確かに存在する何かです。
そんな心が写しだす存在を表現する、それが抽象画なのかなぁ~と僕は思います。
だからといってこれが答えだ!定義だ!というわけではありません。
数学や化学は、数式があり明確な答えがあります。
歴史も何年に何が起きたのかが示されています(真実かどうかは別)。
人間の場合、絶対的な答えはありません。
だからこそ生きていくことで自分なりの式を作り答えを導き出し
また新たな答えを見つけていく事ができる。
抽象的表現とは、そんな生き様をキャンバスに乗せる事ができる手段ではないのかなと思います^^
【 抽象画の観方 】
見る側は、人によってその時の心のコンディションが異なります。
活力がある、疲れがある、ワクワクしている、可もなく不可もなし等
同じ絵でも、心境によって感じ方がコロコロ変わり気持ちの変化を実感できます^^
西洋絵画には、西洋絵画の観方があるのと同様、
抽象画には抽象画の観方があります。
●感じて観る
良く言われる、” 感性で観る ” という観方です。
桜の木を見て綺麗だな~
洪水の様子を見て怖いな~
と、人はパっと見で観た時に感動することができる生き物です。
頭で考えるのではなく既に影響を受けているわけですね。
感じて観るということは、
体調が良い時じゃないと楽しめないの?
絵の観方がわからないんだけど
等、思われる方もいらっしゃると思います。
どちらも問題ありません!!
まず、体調からお話すると
” 気持ちに波がある方が感受性は鋭くなる ”
です!!
気持に波があるというのは、人の心境は大きく3つのパターンに分かれます。
①良好な時
②平常時
③悪い時
良好な時なら、楽しみにしていたデザートタイム
1週間に1度の自分へのご褒美
何かをやり遂げた時の達成感など、とにかく気分が良い状態。
平常時なら、気持ちが浮いているわけでも下がっているわけもない
可もなく不可もない状態ですね。
悪い時は、辛い・苦しい・悲しい・悩ましいなど
気持よくない状態。
波は、この良好な時と悪い時が特に感じやすいと思います。
僕の場合、ソワソワしていたり落ち着かない時がよくあるのですがそのような時は
安らぎを得られる絵を眺めています。
これから何かを始めようとしたり行動を移そうという時は、活力が得られるようなエネルギッシュな絵を
観る事で活力を湧き立たせています。
何が描かれているかを理解しようとせず、作品を観た時に自分がどう感じたのか?
その感じたことに心を任せていくと観る人だけどの作品感を得ることができます。
「 わからない 」という言葉をよく聞きますが、
わからなくて良いんです。
わからないものを解ろうとするのではなく
感じてみる、という意識の向き方を少し変えるだけなのです^^
●思考を巡らせる
感じて観る、と言った矢先に思考を巡らせるって矛盾してるじゃない!!
と思われるでしょう。
ここで言う思考を巡らせるということは、
” 解ろうとすることではない ”
です。
” 作品に描かれる世界観に意識を向けるということです ”
「 これは、なんだろう?、ん?、、んん??! 」
のように好奇心を持つと気持ちも自然と上がってきます。
気持を上げる事で、心のガチガチをほどいていきます。
気持が和らぐことで抽象的表現に溶け込んでいくことができます。
例えば、初対面でお会いする方がいるとします。
友達や知人と違い、そのお相手の方がどのような方なのか、雰囲気や人柄はわかりません。
人によっては、緊張するでしょう。
( 僕も初対面の人とは少なからず緊張します^^; )
最初は気楽に話せなくとも、接していくにつれ人柄を知り距離感も変わってくると思います。
抽象画も同じです。
最初は、初対面でこの作品はどんな表現なの?
と、ピンと来ないでしょう。
ただ、「 なんでこんな形なんだろう? この模様はなんだろう? 」
のように思考を巡らせていくことで自分と作品の距離は縮まってきます。
人は好奇心で物事に対する感動や認知を深めていきます。
気になったものがあれば見たり聴いたりするでしょう。
アートにも瞬時に感動するものもあれば、観慣れて感じていく事もあります。
周りの価値観は関係ない。
自分だけにしかない感受性に蓋をせず観ていくと面白いですよ^^
【 他の絵画はどう見るの? 】
観方がわからない絵画の1つとして、
「 西洋絵画 」
があげられます。
宗教画・風俗画など信仰や生活を主にした作品が多いです。
現代アートのように、感じて観るというのとはまた異なった観方が必要になります。
大まかに言うと、西洋絵画を観る時には
” 関連した情報を事前に知ってから観る ”
宗教画の場合は、神話の世界や人物
風俗画なら、当時の人たちがどのような暮らしや価値観を持っていたのか
それらを前もって認識してから観ると、それまでなかった面白みを得て踏み込んで作品を観ることができます^^
詳しくは、別途記事でご紹介しておりますのでご覧ください。
今回は、抽象画の観方に焦点を絞ってご紹介しました。
絵画1つにしても、そのジャンルによって観方や感じ方、表現方法は異なります。
特に抽象画の場合は、
「 目の前にあるものを忠実に再現するのが絵画ではない 」
という思想から生まれた絵画の中では新しいジャンルです。
歴史は他の絵画に比べたら浅いですが、この抽象的表現が現れてから
アートの表現方法は劇的に変わりました。
それまでリアリティーのある表現がメインだったものが
表面上ではない、もっと深くにある ” 本質 ” をとらえた表現へ移行。
それは、絵画だけでなく造形物にも表れました。
本質とは、物事の根源を示すものだと思います。
技術進歩により人間の文明は発達してきました。
片手でもあらゆる情報が手に入る時代です。
便利ではあるがそれ故に、我々人間は使われる事、受け止める事に慣れてしまっていると思います。
それは、思考停止である。
生きているつもりが、環境にただ流されてはいないだろうか。
私たちは、心を持っている。
心が原動力になります。
その原動力である心に、意識を耳を傾ける事も人間として大事なのではないでしょうか。
と、心像表現をしている僕は思います^^;
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