2021-10-31

初心者必須!絵の下地作り!画材ジェッソを解説!

こんばんは、事前準備をしておくと安心する油絵×心像画家の中西宇仁です^^

今回は、支持体(絵の具が乗る媒体)に対し絵の具を塗る前の下準備として、
下地つくりで使う「 ジェッソ 」についてお話していこうと思います!



ジェッソをキャンバスに塗ることで表面を均一にしたり厚さを持たせて表現に躍動感を持たせるなど
作品に一工夫与えることができます。

料理で言えば、鶏のから揚げを作る前に付け置きするしたごしらえです♪



では、作品制作に向けてのしたごしらえを見ていきましょう~!!

【 なぜ下地をつくるの? 】

絵具を塗るキャンバスには、布、木材、アクリル板など様々です。



キャンバスや木版など絵具を乗せる支持体は様々ですがものによっては絵具の定着性が悪く剥がれ落ちてしまう材料があります。
そこで、定着性を上げる為に、下地準備が必要になる場合があります。



また、一般的な布張りキャンバスの場合はよく見ると表面がデコボコしているので気になる場合は、
下地用の材料を塗る事でデコボコを無くし均等な面を作ることもできます。


僕の場合は、布キャンバスのデコボコがあると気持ちよく絵具が塗れないので先に下地を準備してから塗ることがあります。
( 凹凸があると塗れているヶ所と塗れていないヶ所が生まれるので ^^; )



簡単に言えば、下ごしらえです^^

【 下地に使う画材とは? 】

絵具を塗る前に下地を塗る場合は、

「 ジェッソ 」



という画材を使います。




では、ジェッソについて探ってみましょう!

(参考画像: 世界堂オンラインショップ )

●ジェッソとは?

見た目は、白い液状となっている液体で支持体(キャンバスや板)に塗る下地の材料です。



絵具を塗る前の布張りキャンバスや木版などに対しにブラシやローラーなどの道具を使って塗ることで支持体が元々持っている色素に影響を受けずに真っ白なキャンバスとすることができます。

(キャンバス、紙、木材、石など一通りの支持体に使えます)



また、支持体が持っている凹凸を埋める事もできるので絵具を塗り易くすることもできます。

何度も重ねて塗ることで厚みが出てきます。




簡単にいえば、ジェッソを塗って良い状態にしよう!!
ということです^^

●乾燥させる

メーカーにもよりますがだいたい、完全乾燥に必要な時間

” 72時間(3日) ” です。




数時間程でも触ってみると乾いているものですが内部までしっかり乾燥させるには、それだけかかります。



僕の経験として、1週間は置いておくと安心ですね。


昔、ジェッソを塗った後3日程置いた後に表面をサンドペーパーで磨いたのですが中身がまだしっかり乾燥しておらずボロボロになったことがあるので^^;

●下地を塗った後の処理

ジェッソを塗り乾燥したら仕上げとして、サンドペーパーで表面を軽く磨きます。
そうすることでザラザラがなくなり滑らかな面になります。



この時にしっかり乾燥させておくことが大事です!!



完全に乾燥されていない状態でペーパーをかけると僕の様にボロボロになりますので・・・

【 ジェッソの注意点 】

油絵具を塗る場合は、ジェッソの水分を完全になくしてから塗る事です。

中途半端な状態で塗ると、ひび割れや剥離へ繋がってしまいます。

【 ジェッソの種類 】

ジェッソの容器を見ると、

「S」、「M」、「L」、「LL」


のようにアルファベットの表記があります。
(ホルベインの場合はアルファベット表記です)


このアルファベットが何を意味しているか?



というと、→→「 お肌の状態 」 です。




ツルツルだったりザラザラだったり等、

アルファベット毎に性質が異なります。



身近なものだとサイズですがジェッソの場合は、質感です^^

●Sジェッソ

ジェッソの中でも一番粒子が細かいものです。
細かい描写が必要であれば下地も細かい粒子だと描きやすいです。

●Mジェッソ

標準的なジェッソです。
これといった特徴はないのですがジェッソにまだ慣れていない方は、このMから入るのをお勧めします!

●Lジェッソ

少し荒い粒子をもつジェッソです。
触れて、ツルツルではないけどざらつきがあるな〜ぐらいの荒さです。

精密までとはいかないけど微妙な質感を出したい時には、良いかもしれません。

●LLジェッソ

とっても荒い粒子をもつジェッソです。
砂をまいたような質感になるのでこの特徴を使った面白い表現ができるかと^^

●クリアジェッソ

名前の通り、半透明なジェッソです。
木目や下絵など、支持体の材質や色合いを消すことなく下地つくりができます。

●カラージェッソ

名前の通り色つきジェッソですね。
性質は、Mジェッソと同じような標準的なものです。

背景色を一色にまとめて塗りたい場合は、このカラージェッソなら一気に配色できます!



他にも貝の粉が入った胡粉ジェッソなどがあります。

質感が気になり始めたら、自分なりに面白いと思う下地作りをすると面白いですよ^^

【 ジェッソの性質 】

油絵やアクリル絵の具に違いがあるように、ジェッソにも成分が異なります。

●チタニウムホワイト

定番なチアニウムホワイトですね。

支持体の素材色をしっかり隠すことができる隠ぺい力を持っており耐久性もあります。

また絵具の発色と定着が良くなります。

●アクリルエマルジョン

アクリル樹脂(合成樹脂の1つ)を水に乳化・分散させたもの。

水とまじりあわない合成樹脂を水に分散させたものです。
蒸発するのが水なので比較的無害とされています。

【 他の使用用途について 】

ジェッソは、キャンバスの表面を塗るだけの下地だけではなく他の使い方もできます。

支持体の表面をただ、滑らかにする・ざらつきを出すだけでなく、
LLジェッソのように厚さを持たせることができる素材なら作品の世界観を引き立たせることも可能です。


マチエール、という油絵の技法がありますが絵具を厚く塗る事で重厚さを持たせる方法があります。

同じようにジェッソも厚く塗ることにより存在感のある下地を作ることが可能です。

要は、簡易的にマチエール手法を取り入れることができるということです^^



僕がよくやるのは、支持体の使い回しの為にジェッソを使います。

キャンバス代も重なるとなかなかの出費になりますよね^^;



毎回良いなぁと思える作品が描ければ良いのですがそうでない事もあるのでそのような作品がある時は、ジェッソで真っ白に塗りつぶしてキャンバスを再利用しています。

【 ジェッソは必ず塗るの? 】

下地作りの為のジェッソは必ず塗らなければならないのか?

先にお答えすると、必須ではありません。




先にもお伝えしましたが、ジェッソは支持体表面の状態を良くする為の画材です。

表面の状態が良くないと描きずらく場合によっては、絵具が剥がれてしまいます。



ただ、油絵具の場合は油と空気がくっつく事で固まり支持体に定着するので、
神経質に意識する必要はありませんよ^^



僕もキャンバスと木版で描く事が多いのですがジェッソを塗らないことで困った事はありません。



いかに塗り易くしたいかで判断されると良いかと!!

【 まとめ 】

キャンバスや木版などの支持体の表面を整える手段として、
ジェッソという下地素材がある。

支持体によっては、凸凹があったり木目など素材の色があるので綺麗な面にしたり色素を覆い隠して整える。



ジェッソには、いくつかのタイプに分かれている。



ホルベイン性の場合は、
S→M→L→LL、とアルファベットで分かれており

S(粒子が細かい) ←→ LL(粒子が荒い)



のように粒子の度合いが変わってくる。
また、メーカーによって濃度の呼び方が異なりますが基本的な粒子濃度の考え方は一緒です。



ジェッソは、支持体表面を覆い隠すだけでなく
その支持体の材質を活かす事もできる。

→クリアジェッソは、半透明な性質を持っている為基盤となる支持体表面の特徴を活かすことができる。



背景色を一気に配色したい場合は、カラージェッソがお手軽。



粒子濃度を活かす事で精密な下地にすることもできれあば
厚さを持たせてマチエールの補助として、使用することもできる。

( 厚さにより作品の臨場感を表すことができる )



ジェッソを塗った後の注意点として、
完全に乾くのを待つ!!

( 内部乾性まで待つので最低でも3日で良いですが1週間は放置すると確実です )


未乾燥のまま油絵の具を塗るとひび割れや剥離が発生する。

乾燥した後は、サンドペーパーで表面を軽く磨くと表面が滑らかになり塗りやすくなります。



下地作りは必ずしも必須ではありませんが塗りやすさや表現のしやすさなど
作業をより容易にしたい時にされると良いですよ^^

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では、今回はこのあたりで!!
ご朗読頂きありがとうございます^^



P.S

僕は厚さのあるお肉を調理する前にフォークで刺して柔らかくなるよう下準備を行うのですが
他にオススメの調理方法があれば教えてください♪

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