絵画の意味!具象画のモチーフを知り鑑賞を楽しもう!
こんばんは、人は人を知る事で発見があると思う油絵×心像画家の中西宇仁です^^
今回は、絵画ジャンルの中の1つ
” 具象絵画の見方 ”
について、お伝えしていこうと思います!
絵画は、様々な表現方法があります。
全て同じ視点で見るのも楽しいですが、そのジャンル絵画の見方を知ることで
もっと面白く感じて観る事ができます^^
具象絵画の場合は、絵描き手の考えやどのように生きてきたのか?
人柄に触れることによって作品の意味をしり、もっと深く感じてみることができます。
では参りましょう!!!
【 絵画ジャンル 】
絵画と一言で言っても、モチーフや描写方法
観方が変わります。
絵画をそれぞれのジャンル毎にまずは分けてみてみましょう^^
・宗教画
・肖像画
・静物画
・風景画
・風俗画
・印象画
・具象画(今回はこちら!)
・抽象画
など
【 具象絵画ってなに? 】
具象絵画とは、モチーフとなる対象物から特徴を分けて抽出し、
それ以外の要素を捨て去った絵画のことです。
この事を、捨象(しゃしょう)と言います。
漢字の意味から見ると、象とは「 形・ありさま 」の意味があります。
形を捨て去る → 捨象
具象画とは、印象的な要素を残しつつ写実性を切り離した摩訶不思議な表現ですね。
似たようなジャンルで、抽象画がありますが明確な区別はされておりません。
写実画~印象画~具象画~抽象画
のように写実性と抽象性の丁度中間、という認識で良いです!
目の前に存在する人・物・自然などを忠実に再現するのではなく、その対象の更に奥にある ” 何か ” を見い出し表すこと。
この世の、ありとあらゆる物事のを本質を表すということですね。
16世紀のルネサンスを機に表現の幅は広がり表し方も変わってきました。
恐らく絵画の中で一番多く表現されてきたジャンルと言えましょう。
【 具象絵画の歴史 】
絵画の歴史は、それだけで多く語ることができるものなのでこの記事では、
簡略してお伝えしますね。
古くは、約4万年前の洞窟壁画が最古の具象画とされています。
( 石器時代ですね )
狩りをする様子や動物を描いた壁画ですね。
ちなみに石器時代に描かれた壁画は、社会的地位のあったシャーマンにより作られたとされているようです。
絵の形は、洞窟画→修道院などにある壁画→絵画というように形態が変わりました。
14世紀(1400年前後)のゴシック美術時代を気にフランスやイタリアなど各地に広まりました。
宗教画、人物画、風俗画、静物画、印象画と、
時代が移り変わるのと共に表現方法も変わってきました。
具象画の定義は、一応決められてはいますが明確な答えは正直ありません。
具象の代表的なものとしては、ピカソをはじめとした表現方法の1つである
「 キュピズム 」
があげられます。
20世紀前半(1900年前後)から生み出された表現方法です。
この時代の前には印象派とよばれる受けた印象を表現する描きが主流でした。
具象画の後には、形を持たない表現として、抽象画が生まれます。
絵画の歴史概要としては、
①信仰心を中心とした宗教画
↓
②神離れが進み人物画や風俗画など人の生活を表した表現
↓
③美は、人や動物だけではなく果物や人工物など静物にもあるという表現
↓
④形をそのまま描くのではなく、そこから受ける印象を表現
↓
⑤印象だけでなく表面上にはない形を表現(具象画)
↓
⑥形にこだわらず、感じた存在を描く抽象的表現
当時、生きていた人たちの意識を反映してきたのが絵画の歴史ですね^^
【 具象表現をしている画家 】
パブロ・ピカソ(キュビズム)
マルク・シャガール
サルバドール・ダリ
ショアン・ミロ
等など
以降に、作品を1つ例にどのような視点で見ていけば良いか一緒にご覧頂けたらと思います^^
【 具象画の観方例: 記憶の固執 】
具象画をどのように観賞すれば良いのか?
髭が特徴のサルバドール・ダリの作品
「 記憶の固執 」
を、例に見てみましょう^^
この作品の特徴といえば、時計が溶けて柔らかくなっている姿ですね。
現実には存在しないモチーフを組み合わせこの世の物ではない表現をしております。
作中の中には、岬と時計がありますね。
この描かれている岬は、
ダリの故郷であるスペインのカタルーニャ・カダケスにあるクレウス岬とされています。
作中で描かれている溶けている時計ですが、
ダリにはガラという奥様がおりました。
その奥様が食べていたカマンベールチーズが溶けていく様子を見てインスプレーションが湧いて描いたとされています。
ダリには柔らかいものと硬い物への両極に対して執着があります。
その両極がこの時計には込められてます。
それぞれの時計は時間が異なっており、過去から現在の記憶が入り混じるものを表現しています。
冒頭で、
「 具象絵画とは、モチーフとなる対象物から特徴を分けて抽出し、それ以外の要素を捨て去った絵画 」
と、お伝えしました。
この作品でいう対象物とは、” 時計 ” です。
現実にある時計は、輪郭がしっかりしており硬いです。
時を知るのに時計は使われています。
この作品に出てくる時計については
そのままの形を表しているわけではありません。
ただ、” 時を知る ” という所で人の人生と共に歩む時を表しているのではないでしょうか。
奥様が食べているチーズも、元々は硬く形を維持しているもの。
そんなチーズが溶けていく様子を見て、物事は時と共に移り変わっていくものだ、と感じたのかな~と僕は思います。
作品の中央にある、鶏の皮のような白い物体ですが
ダリ自身の自画像とされています。
自身をモチーフにした作品は他にもあり、「 大自慰者 」
があげられます。
作中左下にあるオレンジ色の時計。
時計にはアリがたかっていますね。
これは、” 腐敗 ”を象徴しているとされており、
ダリが5歳の時にアリに食べられている昆虫を見た時にショックを受け影響していると言われています。
同じように腐敗をテーマにしている作品で、「 回顧的女性像 」があります。
記憶の固執という作品には、ダリの固定概念に囚われない価値観と幼少からのトラウマなど生きてきた中で感じた事・発見したことが具象として現されています。
西洋絵画によくある宗教画や風俗画などは物語や登場人物、当時の暮らし事情などを前もって知っておくことで観方が変わります。
この具象画の場合、現実に存在する物をなぜ非現実的に描写しているのか?
そこには、画家が意図している事、抱えているものが関係しています。
画家がどのような人でどのような人生を歩んできたのか?
考えや人柄に触れを知る事で作品は、観る人にわかりやすくうったえかけくれます^^
絵画は、一言で言ってもジャンルが異なり見方もそれに合わせて変えて意識して鑑賞することで
一方的ではなく、様々な角度から楽しめます。
それは、多様な感動を受けることになり心身へ影響を与えることになります。
感性を持つ人間は、感性を育むことでより良い生活ができるます!!
これを機に観賞方法について、振り返ってみてはいかがでしょうか♪
抽象絵画や西洋絵画など、絵画の見方について随時まとめております^^
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では、今回はこのあたりで!
ご朗読頂きありがとうございます。
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