2024-02-13

抽象画とは?意味と魅力やメリット・デメリットについて解説!!

おはようございます、油絵×心像画家の中西宇仁です。

今回は、抽象絵画の魅力についてお話していこうと思います!

抽象絵画は、写実画(人物や物など自然界に存在するモチーフ)のような表面的な形ではなく
内面性を表した表現方法です。

決まった規則はなく自由な方法で描きだすことが出来時代の流れと共に変化してきました。

ただ、それ故に分かりにくい所もありそもそも抽象画の魅力って何?
と思われる部分もあるので抽象画の魅力や実際に描くとどうなるの?
等、お話していこうと思います!

くつろぎながらご覧頂けたらと思います^^

【 抽象画とは 】

人物画、静物画、風景画などこの世に存在し形あるものを描きだしたジャンルとは異なり
人が感じた要素を色や線、形に乗せた表現方法です。

正確には、

「 非対象絵画・無対象絵画・絶対象絵画のように具体的な対象を描き写すことのない絵画 」
という意味とされています。
要は、目に映る形をそのまま描き写さない絵画ということですね。

綺麗な景色を見た時
心地よい音楽を聴いた時
人の優しさに触れた時
辛く悲しい気持ちになった時

など、人は日々の生活の中で喜怒哀楽を感じながら生きています。
また自分がどのように生き想いを巡らせ生きていくのか?
自身の人生を通じ自分というものを表面的な形ではなく内面を
出力することが出来るので「 生きた証 」を残せる表現方法です。

人物画、静物画、風景画など目に見える世界を表面化した絵画に対し
人の想いや考え、記憶、生き方等内面(精神)の世界を具現化したものが抽象画です。

【 抽象画の歴史 】

絵画の歴史の中でも抽象画は後から生まれた表現方法です。
美術史上では、1910年にカンディンスキーという画家が
抽象絵画の創始者であると言われています。

絵画は元々信仰を普及させる為の宣伝として描かれ教会のPRとして
扱われていました。
今でいう看板のような存在ですね。

当時は宗教画と言われるジャンルが主流でしたが時代の流れと共に国々の貿易が
盛んになり多様な文化が入り混じるようになりました。
人々の生活や価値観が変わり神様の世界から人の暮らし、文化などを表す風俗画が流行り始めました。
(宗教画→自然や生活、社会などを表した風俗表現にシフト)

人や生活、自然の様子が描かれるようになりますがさらなる時代の変化により
次は絵画は目に映るものを写し出すだけではなく精神を表すことができるという
考えが生まれキュビズムなどの流れを通し抽象表現である抽象画が生まれました。

信仰表現→風俗表現→精神表現という大まかに分けるとこのように社会のニーズに
合わせて絵画の表現方法が生まれてきました。

別途、絵画の歴史について述べておりますので下記記事もご覧頂けたらと思います!
→ 関連記事:絵画の歴史について

【 抽象画の魅力 】

抽象表現は、人間の内面である精神世界を表す事が出来るとお話しました。
人間の欲求、価値観、思考性など内面をモチーフとするので従来の決まった
ルールや方式ではなく独自の世界観を垣間見ることができます。

また、人物画や静物画、風景画などを描く場合はトレース、立体感を出す為の描き方や
絵の具の特性など相応の技術と知識が必要となりますが抽象絵画の場合は、決まった
ルールがなく形を正確に成さなければならないという必須条件もないので描く側としても
身構えずに着手することが可能
です。
(こだわれば相応の知識や技術は必要になります!)

子供がクレヨンや色鉛筆で描いた絵がそれに当たりますね。
正確な人や物、動物の形を成していなくとも純粋性や明るさ、抱えている問題など
良くも悪くも心模様を垣間見れるのと同じで抽象画も表面的な形ではなくその内面に
触れる、出力することができます。

心の内を表出するので良い面だけではなくイヤな面も表せるのでリフレッシュにも繋がりますね。
アートを通した療養、アートセラピーの効果もあります。

自由だからこそ技術は必須ではなく紙と筆、絵の具があれば誰でも好き勝手に描く事ができる
ジャンルですね。

一昔前は、写実性のある絵画が評価を受けていますが多種多様化している現代社会では、
世界を通じて抽象絵画への注目度は年々向上しています。
先の事項でも「 絵画は歴史の流れと共に変化してきた 」ことをお伝えしましたが
過去の話だけではなく現在、そしてこの先注目を受ける表現法ですね。

【 抽象画の描き方 】

人物画、静物画、風景画などの写実性ある絵は筆を使うのが基本ですが
抽象画の場合は、それだけではなく独自の画材を使って表すことができます。

よくある手法の1つがドリッピング(詳細はこちら)という方法で
液状の絵の具を垂れ流して描く技法です。

抽象画の場合、自由な描き方が特徴ですがそれと比例し使用する画材も
自由な方法を取り入れることが可能です。

僕の場合、筆だけではなくペイントナイフで塗ることがあります。
ナイフは、絵の具と溶き油を混ぜるものとして扱われるのが一般的ですが
それを筆の代わりに使うという考えですね。

要は、画材は手段であって何を表現したいのか?という目標を実現させる為の
ルートですね。

手で色を使っても良い、私生活の中で使う道具を工夫して画材として扱うでも良し
顔料を工夫するも良し

自由な表現ではありますが相応の工夫は必要になる面もありますね。

【 メリット・デメリット 】

抽象画は自由な発想と手法で描けるとお話しました。
では、メリット・デメリットは何があるのか?
それについてお話しますね。

●メリット

①写実スキルは必須ではない
人物画や静物画など写実を必要とするジャンルでは、構造を成す為に
相応のスキルが必要となりますが抽象表現の場合は、正確な形でなくとも
無形でも描く事ができます。

” 絵心がない・・・ ” と悩まれる方でも着手しやすいジャンルですね。
その為、専門的な知識や技術がなくとも誰でも描きだす事ができる為、人によっては
新たな趣味を見つけたり生きがいを見つけるなど生き方に変化をもたらす可能性があります。
(こだわれば相応の知識と技術は比例して必要になります!)

②デトックスになる
抽象画は感情・志向性など意味や内面をモチーフにし出力できるので
内に秘めている心模様を視覚に映し出せます。
目に見えない物、言葉で表せないことを表現、吐き出せるので
心のデトックスに繋がります。

●デメリット

①画力に影響
抽象画に決まった描き方や正確な形を形成する等、写実スキルは必須ではないのですが
それ故に抽象表現だけ描き続けていると写実スキルが身に付きません。
人物画や静物画などの写実画には立体感や奥行きなど物体を構造的に認識させる要素が含まれており
描写性が求められますが抽象絵画の場合は、物体の成り立ちを意識せず2次元の表現となる為
写実スキルが身につけずらいという面があります。
(抽象表現がダメと言っているわけではないよ!)

僕の場合、絵を描き始めてから抽象表現をメインに進めて数年経過しましたが
いざ写実性のある絵を描こうとしても描けませんでした。
光と影の関係性や構造の在り方などがわからず酷いありさまでしたね。

②わかりにくい
写実画のように人物、物、動物、植物、風景などの絵画は誰が見ても分かりやすいですが
抽象絵画の場合は、リアリティー(自然界に存在する物体の形)から外れ精神要素を表現する為
人によっては伝わりずらい、認識しずらい面があります。
人間関係でも言葉や文章で伝えたらわかるけど気持ちを知る為には雰囲気や仕草、共感など感覚で伝わる
ものが多いので誰にでも伝わるかといったらそうでない事がありますよね。

僕も周りに作品を見せる事がありますが「花とか人みたいな絵のはわかりやすいね」という声は
聞きますね。

ただ、論理とか関係なく伝わるものは確かにありますね。

【 まとめ 】

抽象画は、自然界に存在する形をそのまま描きだすのではなく人の内面や想いなどの精神を
描きだす表現方法です。

絵画のスタイルは、大昔の宗教画から始まり
信仰表現→人の営みや自然を写し出す風俗画→人の精神を写し出す抽象表現と時代の流れと共に
表現方法が変わってきました。

抽象表現をする為に必ず必要な専門的な知識や技術は必須ではないですが
追求する場合は、相応のスキルを身に着ける必要はありますね。

ただ、自由な表現だからこそ良い面と落とし穴があります。

●良い面
①写実スキルが必須ではない
初歩でも専門的な知識や技術は必須ではなく自由に描ける。
絵心が無くても着手しやすいジャンル

②デトックスになる
内に秘めたものを出力できるのでストレス解消やリラックス効果を得る事に繋がる。

●落とし穴
①画力に影響
リアリティのある描写ではないので抽象表現だけ描き続けても写実スキルは身に付かない。

②わかりにくい
写実画は、人が親しみのある物体がモチーフなので分かりやすいが
抽象画の場合は、精神要素の表現な為観る人によって受け取り方が異なる。

抽象画は、従来の絵画の中でも異質な存在ですがそれ故に形に縛られない
何かを表現し伝える事ができます。

思い浮かぶもの、心模様といった人の内側に秘めたものを具現化できる
手段です。

自分は何を想い何のために生きるのか?
自身の生き方にも影響するユニークな世界が確かにあります。

ここまで読んで頂き誠にありがとうございます!
貴方様の生き方に良き流れがありますように^^

タグ:
関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA