絵に躍動感を出す方法:構図・色・筆跡で動きを表現するコツ
どうも、油絵画家の中西宇仁です。
今回は、絵に躍動感を持たせる方法についてお話したいと思います!
躍動感とは、動きや勢い、エネルギーの強さを感じさせる言葉です。
絵が動いて見えるとはどういう事なのか?
動いてはいないのになぜ勢いを感じるのか?
動きには人、動物、風景、静物と抽象表現にも当てはまります。
どのモチーフでもこの躍動感を持たせるポイントをご紹介します!
【 なぜ絵に躍動感が生まれるのか? 】
躍動感とは、「物事が動いているような生き生きとした印象、エネルギーの強さを感じさせる表現を示す言葉」という意味があります。
単純に動いているだけでなく、勢い・力強さ・生命力を持つのが特徴とされているようです。
そんな躍動感を絵に起こすにはどうすればよいのか?
まずは、躍動感を生み出す基本原理を抑えてみましょう。
まず、絵画というのは静止している状態です。
動物や車、川の流れのように常に動いているものではありません。
その為、絵に起こす為には動いている状態が躍動感ではなく、「視線を動かす仕組みが躍動感」であるという根本を意識してみると良いですね。
静止している絵画に躍動感を感じるタイミングは、鑑賞者が視線を動かしてからスタートします。
視線を動かす事で、流れを体感します。
その流れを生むポイントが、
視線が画面の中を移動する為の方向性があったり、流れを感じさせる置き方であったり、色の明暗に強弱を持たせるように色の変化がある、筆跡を残したり余白を作り動きの行き先を作っておく事です。
とまぁ、言うのは簡単なので具体的にどうしていけばそれぞれ解説していきますね!

【 構図で躍動感を出す 】
躍動感は視線の動きから生まれるとお話しました。
その動きを作り出す基盤が構図です。
例えば線を一本引く時に、水平・垂直な真っすぐな線と斜めに線を入れる時に人は斜めな線に動きを感じます。
この特性を構図に当てはめた時に、斜めに入る人物やじぐざぐな川など、視線の動きを持つ為の置き方を意識してみてください。
例えば、対角線構図なら画面の左上から右下に対角線上にモチーフ配置するだけで上から下へ斜めに視線が動きます。
絵の基本的な構図である三角構図も、安定感のある構図ですが正三角形ではなく崩した三角形にすると、ポイントからポイントへ視線が誘導されます。
黄金比も周りから徐々に特定のポイントへ絞り込んでいくので渦のように流れを組み込みやすいですね。
また、あえて余白を残しておく事で「この先へ進んでいく」という想像が働きます。
キャンバス上でスタート地点とゴール地点を設けて、ゴールに向かっていく道のりを構図で作っていこうという事です。
僕もテーマやモチーフが異なれど、流れを組みこむ時は必ず土台である構図から構築していきます。
土台を作ってしまえば流れの基礎が設けられるので後はそこに置くパーツを合わせていけば良いわけです。
構図の一覧についてもこちらでご紹介しております!

【 線で躍動感を出す 】
動きを持たせやすい方法が線で表した方法です。
漫画を見ると風の流れやインパクト性を持たせるために強烈な線を描く事で表されていますね。
線と言ってもその引き方によって印象が変わります。
水平線→静けさ・安定
垂直線→上昇・下降・力強さ
斜線→動き・緊迫感
曲線→流れ・柔らかさ
といった所でしょうか。
雷を表す時も線をジグザグにする事で表されていますし、レース等スピード感を出す時にも用いられていますね。
渦巻き状も何か迷走するような印象を与えます。
イラストでは、線を主体とした描き方が効果的ですね。
絵画の場合だとリアルに描く場合は、線というものは存在しませんが抽象画のように心象部分を表す時は効果的です。
【 形を変化させて躍動感を出す 】
リアルな絵でも躍動感は出せないのか?というとそういう事はありません。
躍動感を出す方法の2つめは、モチーフサイズや向きを意識してみましょう。
花瓶や植物など、静物はその存在自体が静止していますが絵画でしか出せない動きを持たせられます。
例えば、高い所から低い位置へお皿を描けば、落ちている様子となり、コップを傾けて流れる水を描けば動きとなります。
花瓶の大きさも全て同じ大きさで配置すると静かになりますが、サイズを分けるとまた印象は変わりますし、間隔を変えると何か意図があるのか?と想像を促します。
僕も風景画を描く時に、植物の角度を変え周辺に舞う落ち葉を描いて風の流れを表したりしています。
モチーフの状況や環境に変化をつけると動きが表せるという事です。


【 色彩で躍動感を出す 】
次の躍動感の表し方が色を使った動きです。
画面全体の色を均一化させると、平坦となりリズムが一定となりますが、不規則にする事でリズムの波が生まれ、鑑賞者の感情や思考を刺激します。
●暖色と寒色
暖色・寒色を使い分けて画面に変化を作る。
色には大きく、明るく刺激的な色と落ち着いた色と別れておりそれが暖色と寒色です。
画面全体を似た系統の色で統一すると明るさはありますが変化がありません。
その為、色の相性を組み合わせる事で互いの色彩を引き立たせる事ができます。
具象画・抽象画問わず活かせるちょっとしたコツです。
●明暗差
明るい部分と暗い部分を組み合わせることで視線を誘導する。
人が目の前の物体や空間を認識するのは、光と陰影の関係性があるから捉える事ができます。
光が当たる個所と光が遮られる場所を作る事で立体感や奥行きを生み、視線の流れを生み出せます。
暖色と寒色との関係にも関わりますが、明暗差を残す事で抽象的表現にも視線誘導の導線を引く事ができます。
明るい色と暗い色を不規則に並べれば、色のリズムが生まれます。
他にもその素材が元々持つ固有色を活かして自然体を表したり色の配置によりストーリー性を持たせて躍動感を連想させる事もできます。
詳細はこちらでご紹介しているので合わせてご覧ください♪
【 筆跡で躍動感を出す 】
今までのお話の中で線と色で躍動感を表す方法を述べましたがそれを活かすコツが筆跡です。
とくに油絵具のように絵具が硬ければ、筆で塗った時の筆跡が残りやすいので質感を強調できます。
塗り方として例えば、
筆を一方向に均一に進める、ごっそりと筆跡を残す、短いタッチを重る、絵具を厚く置く・薄く延ばすなど塗り方は様々です。
塗り方1つで安定感を持たせたり、勢いをつけて動きを持たせます。
例えば文字の場合、同じ文字でも描き方により印象は異なります。
丁寧に筆を置けば安定しますし、筆を掃うと勢いが生まれます。

絵も同様ですがここで重要なのが、何となく筆を動かすのではなく、モチーフの動きや画面の流れに合わせて筆を動かす事です。
走る様子を描くならあえて絵具を擦れさせるとスピード感が出ますし、質感を強調させると流れが発生します。
作品で表したい要素を筆跡で表そうという事ですね。
【 絵具の厚みで躍動感を出す 】
絵具の厚みも躍動感を出すテクニックです。
そこで適している絵具が油絵具です!
油絵具は、水彩絵具など他の絵具と異なり、油分を含んでいます。
コシがあるので硬さがあり、この性質を活かす事で厚く塗ったり筆跡をしっかり残す事ができます。
また、筆以外でもペイントナイフを使うとまた違った質感や色の乗せ方も出来ますね。
僕も油絵具の硬さを利用して、凸凹を作ったりしていますし繊細な色を出したいけど質感を持たせたい時なんかは、下地からマチエール(質感)を作ってから絵具を薄く塗ったりしています。
ピンとくる作品だとゴッホですね。
ひまわりや自画像など有名な作品がありますが、静物的なモチーフでも絵具を厚塗り存在感を構えていますね。
絵具のチューブから取り出してそのままキャンバスに塗り込めるので、一番質感を表しやすい絵具が油絵具ですね。
油絵具についてはこちらでご紹介しております!


【 モチーフに動きを持たせる 】
躍動感を持たせる土台となるのがモチーフに対して、動きの姿勢を持たせる事ですね。
人をただぼーっと立たせている状態と走り出す姿勢を作ったら後者の方が走り出すという印象を与えます。
「ん~、ポーズは取っているつもりなんだけど・・・」
とイマイチに感じる場合は、全体を見まわしてみましょう!
例えば人物なら、顔・胴体・腰・脚・足の向きや角度が連動しているかどうか?
よく見かけるのが、全ての部位ではなく限らた部位だけがその姿勢を取っている所ですね。
上半身は動いているような姿勢でも下半身が立っているだけだと体全体から動きの印象は持たせられません。
人や動物、静物など動きが持つ為には、動き始める始まりと終わりがあります。
静止している0から動き始める1へ繋がる間、そこから2へ落ち着くまでの流れを意識してみると良いかなと思います。
僕も動きを持たせる時は、実際に動いている所を見ていますね。
今の時代、動画視聴が出来るので生き物の動きを視聴してどのような流れでその肉体が動いているのかを見ています。
動きの根拠を知る事で、想像ではなく仕組みとして捉えれるようになるので絵に起こしやすくなりますね。

【 動く方向の先に余白を残す 】
動きを持たせるユニークな方法があります。
それは、進行先にあえて余白を残しておく。
例えば人や動物、車が左から右方向へ走っているとします。
この時、モチーフの後ろや背景に街並みを置くが、進む先を余白にしておくと、この先へ進んでいくという印象を持たせられます。
漫画やアニメ、映画でも光の中へ向かっていくシーンがありますが、抽象的でもそこへ進んでいくという印象を持ちます。
ゴール地点のように、到達する場所という意味を持つモチーフを置くと、そういう意味だと認識しますが、もっと広く万能的に動きを持たせたい場合はあえて終着地点に余白を残しておくと、始点と終点の動きの流れを連想させられます。
「余白は何も描かない場所ではなく、動きを受け止める空間」
写実的な絵だけでなく抽象的な表現でも活かせます。
始点側の色を充実化させ、終点側を控えてにしておくと消えゆく流れを持たせられます。
端から端まで描き切らない躍動感の持たせ方もあるので力を抜いてみてくださいね。

【 静かな絵と躍動感のある絵を比較する 】
ここまで躍動感を持たせるポイントをいくつかご紹介しました。
とは言うも、なかなかイメージ出来ない事もあるかと思います。
そんな時は、絵画鑑賞です!
落ち着いた絵と何か心をざわつかせるような動きのある絵と見比べてみましょう。
頭で意識するだけでなく体感的にどこに魅力を感じるのか?別の角度から捉えてみるのも良いです。
落ち着いた絵を見た時になぜそう感じたのか?
配置を見るとモチーフが水平に並べられていたり色の変化が少なく均一な筆跡なのか、
躍動感のある絵は、比べると何が違うのか?
構図の置き方が不均衡なのか?、どう自分の視線は動いたのか?、色の使い方は独特なのか。
この比べるというのは、自分を客観視する観方です。
僕も自分の絵の方向性に悩んでいる時は、よく人の絵を観に行き、他者の作品で感じた事と自分の絵を見て感じた事の違いを注目するようにしています。
そうしていくと何が足りないのかが見えてくるので表現力のレベルアップに繋げられます。
【 躍動感の出しすぎも注意 】
躍動感とは、「物事が動いているような生き生きとした印象、エネルギーの強さを感じさせる表現を示す言葉」。
躍動感を出そうと詰め込みすぎてしまうのも注意が必要です。
意識しすぎてあれもこれもと入れてしまうと、画面がうるさくなってしまいます。
人が絵を見て感動するには、それなりの理由がありその1つがバランスです。
キャンバスという舞台上に乗る役者全てが「主役は自分だ!」と主張してしまうとまとまりがつかなくなります。
そうなると鑑賞側としては、どう見れば良いのかわからなくなり視線が泳ぎ、作品に対する体感が薄れてしまいます。
また、描く側としても何を表したいのだろうか?と迷いが生じる事もあります。
少なくとも自分はそうでした。
乗せたいものを乗せて描写タッチを特徴つけても余裕がなく見ていても疲れてしまう事がありました。
モチーフも背景も躍動感をつけてしまい作品としてまとまらなくなったわけです。
そうならない為にも、躍動感と静けさのバランスが必要になります!
画面全体を動かすのではなく一部分のみに動きを持たせてそれ以外を落ち着かせる事で、この一部分が強調され印象が際立ちます。
描き足せば良いわけではなく、動きと静寂のバランスを取る事で舞台上のストーリー性やメッセージ性が薄れなくなります。
それは、表したい事をより的確に表せるという事です。
本番を迎える前に一歩引いて、何を表したいのかを意識してみるのも良いですよ^^
躍動感は、キャンバス上の動きです。
動きといっても物理的な動きからエネルギッシュな動きと様々です。
自分が動きを通して何を表したいのか?
その為の動きの描き方はどうするのか?
躍動感の在り方について是非深堀してみてください!!
話は変わりますが自分のイメージをより理想的に描き出せる方法なども限定してお届けしております。
無料ですのでお気軽にご覧くださいませ♪

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最後までお読みくださりありがとうございます^^
少しでも絵のお悩み解決に繋がりますように♪












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