2021-08-28

油絵初心者にオススメ!モチーフの選び方ポイント6選!

イメージも大事だけど迷った時は原点に戻り振り返る心像画家の中西宇仁です^^


新たな趣味として初めて絵を描かれる、またはアクリル画等既に絵描きの経験はあるけど油絵の具は初めてという方はいらっしゃいますか?
今回は初めて絵を描く、または油絵の具を初めて使うという方向けに作品モチーフの決め方と描く事による期待効果についてご紹介しますね。

こういうお悩みを持つ方にオススメ
・初めて絵を描くけど何から描き始めれば良いの?
・絵描きの経験はあるけど油絵の具は、初めて使うので練習したい
・基本から始めたいけど何が得られるの?

【はじめてなら静物画】

はじめての作品制作は、静物画から描き始める事をオススメします!!


抽象画や具象画、想像した絵を描くから関係ない!と思われるかもしれませんが
どの絵画ジャンルでも自分の中にあるイメージを具現化します。

具現化する為には、手を使い筆を使い絵の具を使いますがおそらく100%そのまま描写するのには、相当な鍛錬と世界観を深める必要があります。



イメージしたものを絵画でより鮮明に表現をするということは、難しい!ということです^^;


鮮明に表現する為には、世界観を深めるのと同時に画材を適切に扱う必要がありますが
その為に、基本要素に触れかつ着手しやすいモチーフとして、静物があり静物画をオススメしています。

●静物画とは?

花瓶、果物、壺、植物など静止している状態で自然の物や人工物を対象にしたものです。

静物画や抽象画など絵画のジャンルについては、こちらをご覧ください!
西洋絵画の美術史とは!?宗教画・風俗画・・・そして抽象画へ。

【なぜ静物画なの?】

静物には、絵を描くうえで「基礎的な要素」が含まれているのと「絵画のモチーフの中で一番身近にある存在」の2点が大きな理由です。
その為、初めて絵を描く方や油絵の具をはじめて使う方には着手しやすいモチーフとなります。

●基礎要素

はじめて絵を描く場合は筆の使い方や描き方などゼロベースから始めることになります。

沈黙するモチーフとなる静物には、「構造・影・光沢・立体感・直線/曲線・透明度・色彩イメージ」のように作品制作に必要な要素がぎっちり詰まっています。

▼構造

構造ならモチーフとなる対象物をキャンバスに描き写す事になりますがその為には、キャンバス上に収まるよう寸法を合わせる必要があります。

例えばビンの場合は、蓋と本体に分かれますが蓋だけ大きく本体のビンが中ぐらいのサイズになると実際のモチーフとはかけ離れてしまいます。


描き写す、という点では抽象画や具象画など形がありそうでないモチーフがありますが作品制作の工程の中で「下書き」があります。
僕の場合は、モチーフを紙で整理してから”ラフ”に起こし、そこからキャンバスへ写します。
その場合、抽象的であろうがなかろうが「写し」は必要になります。その時に寸法を図る必要が出てきます。


絵画作成の工程については、こちらでご紹介しておりますのでご覧になってみてください^^
【絵画】油絵の制作工程。作業工程パターンと世界観を深める為の設計について(全体概要)

▼影/光沢/立体感

構造物には必ず影が生まれます。
左から光が差し込めば影は、遮蔽物の反対側にできます。

影を付けるという作業は、絵の具を塗る中でもテクニックが要求されます。
絵の具を上手く扱うという点で影を付けるという作業は、ゼロベースからレベルアップできる手段です!

ゲームで例えるとレベル1の勇者が手ごろのモンスターではなく少し強いモンスターを倒すとレベルが一気に5まで上がる、のようなイメージです。


影があれば光がある。ということで影ができる分光を強く受け反射する光沢が生まれます。
この明暗を使い分ける事で描かれる物に”立体感”を持たせる事ができます。

これは、必ずしも静物に限った話ではなく無形なものにも当てはまります。
その例として、「雲・煙」が当てはまります。

写真の通り物理的な構造がなくとも明るい箇所と暗い箇所が揃っていると立体感を感じます。

ただ、無形の場合初めて描く場合はイメージがつかみ取りずらく描くのが難しいです
それと比べると静物は、自分の近くにあり明暗のイメージもしやすいという点で着手しやすい要素と言えます。

▼直線/曲線

静物・風景・抽象など全ての絵画に共通する要素が「線」です。
この線をいかにイメージしているものに近づけられるか、必要な”描写スキル”が求められます。



ビンを描写するとしたら、円を保った蓋からビンの首にかけてのR線。
そして最下部まで連なる直線状の本体、最後はビンの底に行きつくわけです。

形としては、シンプルなのですが実際に描いてみるとわかりますが意外と難しいです^^;

蓋は「円」、ビンは「R線・直線・円」の要素が含まれます。
また、ビンの首直下から最下部の円の幅は同じである必要があります。

絵を描く中で一番重要なテクニックは、この線をいかに上手く扱えるか?がポイントになります!
(上手く、といっても”自分のイメージ通りの線を描けるようになる”ことが大事です

「へ?、、それじゃぁ上手な絵って何?」と思われる方もいらっしゃるかと思いますがそれについては、こちらでご紹介しております。
【絵画】絵の上手い/下手 の違いとは?すごいと感じる作品にするには!?

・透明度

無色のビンであればビンを通し背景まで見通せます。
水たまりや池であれば水面を通し内部を見る事ができます。

詳しく整理すると透明とは、物体の反対側や内部にあるものが透けて見える状態のことですね。
曇ったり歪んだり何かしらフィルターがかかって見えるものは「半透明」とされています。
Wikipediaでもそのように説明されてますね^^


ビンや水面などは「半透明」ということですね!
(純粋な透明とは何なのでしょう。電気や太陽の光など粒子や電波?が何かしら視界に入るのでそれも半透明に・・・等、考えるのが個人的に好きです^^)


絵の具には、「透明色」というものはないので他の絵の具で透明感を表す事になります。
どのように描写するかと言うとキャンバス上に構図を起こす時に色を塗る順序と溶き油を絵の具に混ぜ薄く塗る
等、テクニックが必要となります。

別途、記事で紹介しますが更に詳しく知りたいという方がいればお問合せからメールを頂けたらと思います!!

この透明度で得られる事は、「絵の具を塗る順序、油絵の具の薄め加減」ですね。

・色彩イメージ

静物画は、着手しやすいモチーフと考えられます。
着手しやすいということは、構造だけでなく色彩も同じことが言えます。


近くにある物がイメージしやすいのは、構造の他に色彩です。

印象画などは、見たものの印象に色を付けるので実際の姿や景色とは異なります。
それも自分の中にあるイメージをより鮮明に表現するからです。


描き始めの練習としては、鮮明に色を塗る為に目の前にある静物の色彩をより忠実に表せるように塗ると良いです!
静物画だろうが抽象画だろうが自分の中にあるイメージをより100%に近い状態で描き表したいところなので押さえておきたいポイントですね♪

油絵処女作

この作品は、僕が初めて油絵を始めて描いた作品です。
ビンとマグカップには力を入れましたがそこで満足し布は手抜きになりました^^;


当時意思したのは、”目の前にあるものを忠実に再現”する事でした。
ウィスキーボトルも満足できる線がなかなか引けず描けたと思ったらビンの上部と下部の幅が合わずまた塗りなおす等難儀していました。

その難儀が悪いわけではなくなぜ幅が合わなかったのか?
なぜ満足する線が引けないのか?など描き進める度に改善点が出てきました。


その改善点を導き出す事で次の作品をどう描くと良いのか?が見えてきます。



初めての作品制作をなんとな~~く描いていたら発見は少なくなります。
そして以降の作品もなんとな~~~くと変わらない作品となり表現力の向上には繋がりません。

最初だからこそ0から1になる土台を気持よく作っていけると絵描きが面白くなるはずです^^

●身近にあるモチーフ

はじめて絵を描く、画材を扱う時に静物画が良い理由の2つ目が身近にあるモチーフです。


人物画も形を成しておりますが頭・鼻・目・口・耳など曲線が多く細かいです。
服装もパーツが複雑で描写するには難しく、また色彩も高い技術が必要になります。



風景画も形がありますが同様な事が言えるのと視界に入れるには、その場へおもむく必要があります。
写真があれば目視で確認できますがサイズや画素数など環境が制限され初回で描くには、ハードルが高いといえましょう。

それと比べ静物画は、身の回りにある構造物であればそれがモチーフになります。

コップ、食器、ビン、花瓶や筆記用具、本にテレビ等が多様に手に取れる距離で確認ができます。
手に取り近くに寄せ角度も自在に変えて観察することが可能です。

その日に作品が完成せずともモチーフは逃げも隠れも変りもしないので変わらず描き続ける事ができるわけです!!

【油絵の道具について】

油絵の具の使い方や画材については、下記をご覧ください!!

油絵の絵の具をはじめて塗る方へ!!色の組み合わせからクリーナーまで写真付きでご紹介。


油絵の具超おすすめのメーカー5選。特徴・性質から乾燥期間まで種類別解説!!

油絵初心者が絵を描くのに必要な道具とは?画材10選について写真付きで解説!!

【まとめ】

初めて絵を描く、または初めて油絵の具を使われる場合は練習として「静物画」から始めると良いです。

静物画には、「基礎的な要素」が含まれているのと「絵画のモチーフの中で一番身近にある存在」の2点がある。

基礎的要素には、「構造・影・光沢・立体感・直線/曲線・透明度・色彩イメージ」などが含まれている。


構造を観察することで寸法を測りバランスのよくモチーフを配置する事ができる。
影・光沢のように明暗を使い分ける事で描写対象に立体感を持たせる事ができる。
抽象的な表現を行う場合でもこのテクニックは、有効kとなる。
構造物を描くうえで「線」は重要な要素であり筆の使い方を上げるのに有効。
絵の具の濃度や塗る順番を決める事で物体の透明感や色彩調整を行う事ができる。


いつでもどこでも制作を進められるようにモチーフにするには、身の回りの品が良い。
あらゆるモチーフの中でも一番距離が近く手に取り触り角度を変えるなど様々な視点で細かく観察することが可能。


初めて絵を描かれる方は、絵描きの基礎から始められると良いです^^
何事も基本があるから応用ができるのでその手順から一度入ることをオススメします!!

アクリル絵の具などすでに他の画材で絵描き経験がある方は、初めて油絵の具に触れる事になりますが
まずは、絵の具の性質を実感する為にも基準となりうる静物画からは始められると良いのかなと思います!!


僕も描き始めの頃は、絵の具や描き方に慣れる練習として描いておりました。
そこから色の魅力に気づき徐々にモチーフを変えていきました。

基本に触れるということは、自分の適正や好みを見つける事にもなります!!

素晴らしき表現の道へ一歩を♪

では、今日はこのあたりでまたお会いしましょう~!

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