2024-03-18

油絵の具の使い方・立体感や影を出す塗り方などわかりやすく解説!

こんばんは、油絵×心像画家の中西宇仁です♪
今回は、油絵の具の使い方についてお話していこうと思います。

油絵の具は、水性ではなく油性です。
性質を知る事で描き方や支持体の選択、手入れを意識し
適切な選択をすることができます。

油絵の具を扱うにはどのような画材が良いのか?
それらについてお話していこうと思いますので関心があれば
順を追ってご覧頂けたらと思います^^

【 油絵の具とは? 】

油絵の具はアクリル絵の具など他の絵の具と異なり乾くのが遅いです。
”油絵”というくらいなので色の元となる顔料と固着させるための乾性油を混ぜたものが
油絵の具となります。

塗った後はすぐに乾くことはなく空気に触れる事で時間を経て少しずつ固まっていく特徴があります。
その為、支持体上で色彩調整がしやすく描き続けることが可能になります。

別途、絵の具の性質オイルを詳細にご紹介しているので合わせてご覧ください!

【 支持体 】

油絵の具は、油性の為適切な支持体を選択することで長持ちし品質維持に繋がります。
(支持体とは、絵の具や顔料を乗せる媒体の事です。キャンバスもその1つです!)
油絵の具を乗せるのに適した支持体をいくつかご紹介しますね。

●キャンバス

絵を描くと聞いてイメージしやすい支持体ですね。
麻(あさ)や綿(コットン)で覆われたキャンバス(張りキャンバス)の事を指します。
綿は、麻より柔らかくたるみ易いので油絵を描く場合は、麻の方が向いています。

麻キャンバスは、湿気に強く伸縮がなく絵の具をしっかり定着させる事ができますが
表面が凸凹しているので下地を作らない状態で描くと描きにくさを感じますね。
下地作りについては、下記でお伝えします!

価格では、綿より麻キャンバスの方が上ですね。

●ホールドキャンバス

画布をベニヤや厚紙に張り込んだ支持体です。
一般的なキャンバスと比べると薄い為、持ち運びにも適し場所を取りません。
繊維圧縮された材料が使われており弾力がないので見た目とは裏腹にしっかり描き込む
事ができます。

●銅板

レンブラントやシャルダンといった画家が使っていた支持体です。
油分が材質に吸われることはないですが表面がツルツルしている為、
描くのが難しいです。
金槌などで銅板を叩き表面を凸凹させることで面白い表現ができるかも
しれません!

●木版

シナベニヤ材やラワンベ材などありますが油絵の具を乗せる場合は
木版に直接塗るのはオススメしません。
油絵の具は油分の為、木材に塗ると油分を吸収してしまうので剥離や
品質を低下させてしまいます。
(紙の場合も絵の具の参加で傷んでしまうので直接塗りはオススメしないよ!)

その為、木版に直接絵の具を乗せる前に下地作りをする必要があります。
下地を作ることでキャンバスとは違い表面がフラットになるので大変描きやすくなります。

●下地作り

支持体に描く前に状態を整える事で描きやすくなり絵の具の品質を維持する為の
事前準備です。

その為に必要な画材にジェッソというものがあります。
上記でお伝えした木版やキャンバス等にジェッソを塗る事で下地作りをすることが
できます。
詳細については、こちらをご参照ください!

色は白く液状の薄塗りタイプと厚塗りタイプがあり塗る事で油絵の具が
支持体に染み込まず定着させることができるので品質維持に繋がります。

また、フラットにすることもできるので塗りやすくなりますし
厚く塗ることで質感を出しやすくする事もできます。

ジェッソは支持体表面の状態を良くする為の下地作りということです!

【 絵の具の扱い方 】

油絵の具を使う時に合わせるのが溶き油(オイル)です。
絵の具単体でも塗る事はできますが透明感を持たせたりツヤや質感、定着率を
出す場合な時に絵の具とオイルを混ぜます。

また作品を完成させしっかり乾かした後に保護剤として塗るオイルもあります。
ここでは、絵の具をどのように塗れば良いのかについてお伝えしますね。

画材の用意や後処理など一連の工程についてはこちらをご参照ください!

●筆

絵を描く時に使う定番の画材です。
動物の毛や人工素材で出来た筆など様々なものがありますが
性質によって絵の具の乗り方が変わります。
詳細についてはこちらをご参照ください!

油絵の具は、厚めに塗ることもできる為豚の毛などコシがある
筆だと絵の具を塗っても押し負けず力強く描き込むことができます。
筆跡を残した描き方をすることもできます。

透明感や繊細な色を出したい場合は、オイルと絵の具をよく混ぜ薄く塗る為に
柔らかい筆を使ったりぼかしを出す為に毛先が広がっている筆を使うなど
状況によって使い分けると良いですね!

他には厚塗りジェッソを塗る事で筆でも凹凸を出して描く事も可能です。

●ペイントナイフ

油絵と聞くとこのイメージが浮かぶのかなと思います。
基本、絵の具とオイルを混ぜる為に使うものですが筆代りで
絵の具を塗ることもできます。

ナイフで直接絵の具をすくい上げ支持体上に塗ります。
絵の具を粘土細工のように分厚く塗り凸凹を出しやすいので
インパクトある描き方が出来ます。

●その他

上記以外でも使おうと思えばローラーやパネルなどで絵の具を
引き延ばすスキージーという手法も活用できますが油絵の具は
油性の為、専用の洗浄液で洗う必要があるので手間を考慮して
画材を選択すると良いですね!

●後処理

作業に区切りがついた後は後片づけですね。
絵の具が付着している筆は、洗浄液であるクリーナーで洗います。
タオルでべっとりついている絵の具を先にふき取ってから洗浄すると洗いやすいです。
最後に石鹸などの洗剤で筆先を洗うと筆も長持ちしますよ!

また絵の具チューブやオイルの破棄などゴミ処理を適切に行う事で環境への配慮にもなりますので
詳細はこちらをご参照ください。

【 立体感や影を出す為の色使い 】

絵の具の基本的な使い方がわかった所で立体感や影の描き方
についてお話しますね!

人が物体を見る時に立体感を感じる要素として、
「 光と影の関係性 」
があります。

光が当たる箇所は明るくなり光が遮断される箇所は影となります。
また、光源との距離が離れる程明るさは下がり奥行きを感じます。

これらを色で再現する為には「 トーン 」を意識する必要があります。
明るい色~暗い色の序列関係を取り入れる事でモチーフの形を実感させる
事ができます。
詳細はこちらでご紹介しているので合わせてご覧ください!

モチーフに対し明るい色/中間色/暗い色を分ける事で
立体感や質感を表すことができます。

【 まとめ 】

油絵の具は、アクリル絵の具や水彩絵の具のような水性ではなく油性です。
空気と触れる事で化学反応を起こし徐々に絵の具が乾いていきます。

油絵の具を乗せる支持体選びとして、麻で出来たキャンバスが一般的ですが
木版にジェッソを塗り絵の具の定着性を上げれば扱うことができます。
木版や紙に直接塗ると素材に油分が吸収され絵の具が干からびて剥離など
品質低下に繋がるので注意が必要です!

ジェッソとは、下地作りの為に使われる画材です。
絵の具の支持体への定着率を安定させ材質に油分の影響を与えないようにするため
作品品質の保持にもなります。

油絵の具は、絵の具 + 溶き油と混ぜ合わせるのが基本です。
筆だけでなくペイントナイフなど他の道具を使い絵の具を分厚く塗る
事もできるので必ずオイルと合わせなきゃいけないという事はありません。
透明感や色のトーンを生み出したい場合は、オイルで調整し塗ると細かい表現ができます。

立体感や影を持たせる場合、トーンを意識することが必要です。
明るいヵ所/中間/暗いヵ所を分けることでモチーフの構造を立体的に
見せる事ができます。

後処理として、洗浄液で筆についた絵の具を落とします。
その後洗剤で筆先を洗うと筆が長持ちしますね。

油絵の具は、粘着性が高いゆえに様々な描き方ができます!
自分のスタイルに合った画材と絵の具の使い方を見つけるとより
面白みやステップアップにも繋がります!!

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